大本・人類愛善会では、政府がグリーントランスフォーメション(GX)実行会議で決定した「GX実現に向けた基本方針」、原子力関係閣僚会議が決定した「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」、原子力委員会が決定した「原子力利用に関する基本的考え方」、原子力規制委員会が原発の「60年超」運転を前提に了承した規制の仕組み「高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の概要(案)」のそれぞれに対して、原発推進に抗議するパブリックコメントを出した。
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宗教法人大本・人類愛善会パブリックコメント
【意見の概要】 福島原発事故は 11 年半が経過した今も収束せず、放射能の漏洩が続いている。地震国日 本で原発事故を防ぐのは不可能。核廃棄物の処理方法や処分場の問題も未解決。原発より も国民の生命を守ることが大事である。安全で安定供給可能な自然エネルギーへの転換を 急ぐべき。原発を推進する政府の方針に強く抗議する。稼働中の原発は即時停止し、国内 外全ての原発の廃炉を進めていくべき。
【意見】 東日本大震災による事故で福島第一原子力発電所の原子炉は制御不能となり、放射性物 質の流出を止めることが出来ない事態に陥った。このことは、それまで国および電力会社 の「安全性は確保されている」という言葉を信じて原発の恩恵に浴してきた国民に、原発 というものの恐ろしさを改めて知らしめるものとなった。 事故から既に 11 年半が経過したが、同原発の廃炉作業や除染作業は終わっておらず、い まだ収束には程遠い状況である。にもかかわらず、脱炭素を名目に 60 年を超える原発の運 転を実質可能とする行動指針が認められたことは、大変遺憾である。 地震大国である日本で再び原発事故が起こらない保証はない。核廃棄物の処理方法や最 終処分場の問題も、未解決のままである。人間の手で制御できない危険な原子力に依存す るのではなく、地球環境を損なわない自然エネルギーへの転換を急ぎ、その研究開発に知 恵と政府予算を注ぐべきである。 “いのち”を育むのに必要な大地や水、空気を放射性物質で汚してはならない。放射性 物質は自然環境や生態系に多大な悪影響を与え、人間だけでなく、生きとし生けるものす べての“いのち”を脅かすものである。原発事故の恐ろしさが実証された今、大自然の恵 みである天然力、自然力を用いた真に安心、安全なエネルギーの開発と利用に大きく方向 転換すべきである。同時に私たち一人ひとりが心の在り方、考え方、生き方、日々の生活 の在り方を省み、自然から与えられた火・水・土・空気の恩恵に心から感謝し、これらを 無駄にせず、慎ましやかな生活を心がけ地上の生きとし生けるものを傷つけることのない 社会を作っていかなければならない。 宗教法人大本および人類愛善会は、福島原発事故の教訓をないがしろにして原発利用を 推進しようとする政府の方針に強く抗議する。稼働中の原発は即時停止し、日本政府がリ ードしてすべての原発の廃炉を進めていくべきである。同時に、原子力に替わる安全で自 然環境に適合し、安定供給可能なエネルギーの研究開発を一層推進するとともにその利用 を促す政策を実行すべきである。