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大本事件解決80年記念講演会(12月7日)

 日本史上空前の宗教弾圧「第二次大本事件」の解決から80年を迎える12月8日を前に、7日午後1時、天恩郷月次祭に続いて亀岡・天恩郷のみろく会館ホールで「大本事件解決80年記念講演会」が開催された。講師には北海道大学大学院文学研究院の櫻井義秀教授を迎え、講題は「宗教の品格―学び、治め、磨くこころの時代」。会場には91人が参集し、熱心に耳を傾けた。
 櫻井教授はまず、統一教会問題を契機として宗教への社会的関心と監視が高まっている現状を概観し、「宗教は人を幸せにしているのか」「宗教はいかに人格を育てるのか」という現代的課題を提示した。
 続いて、1950年代に作成された大本信徒181人分の調査票をもとに、弾圧下での取り調べや改宗強要の実態、生活の困難、職場や地域社会での差別などが幅広く報告されていることを解説。信徒たちがこれらの体験を「神の摂理」と受け止め、国家への損害賠償請求を行わず聖地返還のみを求めた姿勢に、「恨みを恨みで報いない宗教的態度」が表れていると指摘した。
 後半では、出口王仁三郎聖師や出口直日三代教主らの芸術観に触れながら、宗教が備えるべき「品格」として、①教えを生涯学び続ける〈学〉、②稽古と善友との交わりを通して人格を磨く〈行〉、③芸術や遊びを通じて心を豊かにする〈遊〉の三要素を提示。こうした実践こそが宗教への信頼回復の鍵であり、とりわけ大本のように「遊」を内包することが、宗教の品格を保つうえで重要であると結んだ。
 なお講演の様子は大本信徒専用ページでライブ配信された。

講師・櫻井義秀氏