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かめおか宗教懇話会 記念講演会(7月6日)

 7月6日午後1時から、亀岡市天恩郷・みろく会館ホールで、かめおか宗教懇話会の記念講演会「『生きる意味』の豊かさへ~深い『支え』が人生を自由にする~」が開催された。講師には、上田紀行氏(東海学園大学特命副学長・卓越教授/東京科学大学特命教授)を迎えた。
 冒頭、講師は「現代社会において真に深刻なのは、経済的な不況以上に『生きる意味の不況』である」と指摘。人間が使い捨てのように扱われる風潮に対し、自らの著作などを通して警鐘を鳴らしてきたことを語った。
 また、大学での教育現場の経験から、他者の評価を気にしすぎる現代の若者の姿に触れ、他人の評価軸にとらわれることで、自らの「自由」が奪われていると強調。さらに、日本の若者が自己肯定感に乏しい実態を示す国際的な高校生アンケートの結果を紹介し、その深刻さを訴えた。
本来避けることのできない「失敗」に対して、過剰に恐れる傾向にある若者にとって、どのようなときでも「生きていける」と思えるような深い「支え」が必要であり、その「支え」こそが宗教者の果たすべき役割だと実例も引きつつ語った。神仏の守護を感じながら生きることの強さを説くとともに、自らの多難な人生経験をユーモアを交えながら語りながら、「悪い出来事も、のちの良きご縁になる」と述べた。
 講演の終盤では、かつて共著を出版するなど親交のあったダライ・ラマ14世の講演内容に触れ、「良い種をまけば、必ず良いことが起こる」というダライ・ラマの言葉を紹介。その芽はすぐには出なくても、やがて必ず希望になると語り、未来のために「善き種をまき続ける」ことの大切さを力強く訴えて講演を締めくくった。